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建学の精神

 学園創設者大渓専(もはら)先生は、本学の南約30km、三河湾に面した愛知県幡豆郡吉良村の浄土真宗大谷派住職であったが、日露戦争前後の疲弊した農村にあって、明治34年(1901年)に桜花義会という社会奉仕団体を設立された。災害時の救難活動、社会福祉活動、農業改良運動など幅広く活動が続けられ、地域の中にしっかり根づいていった。
 明治36年(1903年)、桜花義会は名古屋市内に看病婦学校を設置し、この年が本学園の創設年とされている。桜花義会看病婦学校は愛知県内最初の私立看護婦学校として、農村女子に奨学金を出しながら、看護婦養成に努めた。当時の避病院の看護婦のほとんどが当校の出身であったという。また貧しい人たちへの巡回看護婦制度も実施し、看護と投薬、さらには葬儀の世話まで無料で行ったという。大正12年(1923年)桜花高等女学校が設置され、その後長く女子中等教育が本学園事業の中核になった。
 この間、創設者大谷専先生の教育理念は「信念ある女性の育成」「心を豊かにする教育(宗教教育)であった。「信念のある人物を育てるには、家庭教育を司る女性の宗教教育が必要である。」という理念に基づいた教育が実践されたと思われる。桜花高等女学校の教育の基本は「いのち」の尊さと「こころ」の大切さを学ぶ宗教教育であったという。そして教育方法の根本として「教育に親切なれ」というモットーが強調された。
 このように創設者の志は、広く「社会奉仕」の実践であり、「信念ある女性の育成」「心を豊かにする教育」であったと思われる。このことは、昭和16年(1941年)施行の学校法人桜花学園寄付行為第3条(目的)に「この人は、(中略)宗教精神によって学校教育を行い、信念ある女性を教育することを目的とする」とあることからも明らかである。宗教精神は現在「心を豊かにする教育」として生かされ、根本目的である「信念ある女性の育成」とともに学校法人の教育理念の中核として生きている。
 このように創立の原点は学園経営の基本として継承されてきたが、建学の精神としては「心豊かで、気品に富、洗練された近代女性の育成」が使われている。